思い通りに感情をコントロールする
緊張をリラックスに、不安を安心に
船の錨(いかり)のことを英語でアンカー(Anchor)と言います。ご存知の様に、船を海上で止めておきたい時は、潮の流れや波に流されないようにアンカーをおろして海底の岩などにひっかけて動かないようにします。
同じように「人の感情にアンカーをかける」という心理的手法がありそれをアンカリングと言います。船のアンカーと同じように人のある特別な感情にアンカーをかけておくと、意図的にその感情を引き出すことができます。
これは、セラピーやカウンセリングの現場から生まれた「神経言語プログラミング(NLP)」で扱う手法の一つですが、お子様に活用すると、子育てが楽しくなる一つの方法といえます。
私たちの日常には、アンカーが溢れています。例えば、昔よく聞いていた音楽を聞くと、その時の感情が思い出される、というのもアンカー効果の一つです。
努力して目標を達成させた時は喜びの感情が湧きます。その感情をいつでも思い起こすことができたなら、努力することが楽しくなりますから、子どもたちにはいつでもその様な感情でいてもらいたいと願います。
アンカリングの例を挙げてみたいと思います。お子様が褒められる場面に出会う度に、親は毎回①その子の頭を撫でて、②笑顔で、③ある決まった声のトーンで、④「さすが私の子」と、褒めます。この①~④の動作を親が意識的に繰り返すと、その時の子どもの感情と親の①~④の動作がアンカリングされます。
すると、親が①~④の動作をする度に、子どもは以前に感じたその時の感情を呼び覚まして、心地よい状態になります。
子どもの心地よい感情を引き出すことができる親って素敵です。
代表 喜納 康光